KONICA MINOLTA

Kunkun body(クンクン ボディ)

Column 22

カラダのニオイ

DATE : 2018.1.30

ワキガは個性!?
エクリン腺とアポクリン腺を解説。

全身から小粒の汗を出すエクリン腺

汗を分泌する腺=汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。

普通私たちが「汗をかく」というときの汗は、エクリン腺からの汗のことです。エクリン腺は、体のほとんどの部分に広く分布しています。エクリン腺のないところを探すほうが大変なくらいです。エクリン腺がないのは、外耳道や爪で被われている部分、唇など、ごく限られた部分です。たしかに、唇に汗腺があったら、暑いときに何を食べても塩味になるでしょうし、爪の下に汗をかいても蒸発しなくて困ります。

エクリン腺の腺体は皮膚の表面から約1~3ミリメートルのところの、真皮層から皮下組織の上部にかけて存在します。その大きさは約60~80ミクロンで、肉眼では見えず、もう一つの汗腺であるアポクリン腺に比べてかなり小さいので、日本語では別名、小汗腺と呼ばれることもあります。

エクリン腺が小さいのには、理由があります。それは、大粒の汗を一度に出すよりも小さな汗腺からできるだけ小粒の汗を満遍なく出すほうが蒸発しやすく、少量の汗で体温を効率よく下げることができるからです。
エクリン腺は体全体に分布していますが、その数には個人差があります。少ない人で約200万個、多い人で約500万個、平均約350万個といわれています。

発汗しないエクリン腺の存在意義

体全体に分布するエクリン腺が、すべて汗を出しているわけではなく、実際に活動している汗腺は半分程度です。それらを、能動汗腺と呼びます。ですから、実際の汗の量は、この能動汗腺の数に影響されます。
この能動汗腺の割合は、生後約3年の間に生活した環境に影響されるといわれています。たとえば、熱帯地方で生まれ育った人では、寒冷地方で育った人より、能動汗腺の量が多く、猛暑下での体温調節がスムーズに行われるようです。

また、能動汗腺の量は、体の部分によっても異なります。その分布密度は額、手のひら、足のうらに多く、このことが手のひら・足のうら多汗症の原因のひとつとなっています。

能動汗腺に対して、汗をかかずに休んでいる汗腺もあります。「汗腺があるならすべて働けばいいものを、怠けているなんて非効率だ」などと思う方もいらっしゃると思います。
しかし、これにもちゃんと意味があると考えられます。

これは、あくまでも今の地球の環境において必要な汗腺が現在の能動汗腺ということであり、今後地球がこれ以上過酷な環境になったときでも、せめて脳の温度だけでも守れるようにと待機しているのかもしれません。

また、進化という方向に目を向ければ、これ以上脳が進化して微妙な温度調節が必要になっても大丈夫だという無言のメッセージとも受け取れるのです。

体臭の原因となる汗を出すアポクリン腺

一方、アポクリン腺の方は、人間の場合、体のごく限られた部分にだけあります。そのほとんどは腋の下にあります。残りはごく少量ですが、乳輪、へその周囲、外耳道、外陰部、肛門周囲などに存在することもあります。エクリン腺は体温調節のために必要なものですから、すべての人のほぼ全身に存在しますが、アポクリン腺の数は腋の下に限っても、人種によって、また同じ人種でも個人によってその量に大変差があります。

アポクリン腺は、皮下組織の上部で毛穴と一致したところに存在し、その腺体は腋窩では肉眼で十分確認できるほど大きく、日本語では別名大汗腺と呼ばれています。

アポクリン腺の役割は、体温の調節ではなく、体臭の原因となる汗を産生することです。
多くの動物では、仲間同士の確認や異性を引きつけるフェロモンのような役割を担っており、非常に発達しています。人間の場合は直立歩行するので、腋は相手の鼻に比較的近い位置にあり、人間のアポクリン腺が主に腋の下にあるのも合理的なことだったのです。

しかし、人間のアポクリン腺は進化の過程で徐々に退化してしまい、現在ではその分泌液のニオイは、日本語ではワキガと呼ばれ、忌み嫌われる傾向があります。
特に日本人はワキガのニオイを嫌うことが多い傾向にありますが、その理由としては、清潔志向の強い日本人の間では「ニオイ=不潔」のイメージが一般的であるうえに、ワキガ体質の人が少数派であることも考えられるでしょう。

しかし、今ではすっかり嫌われてしまっているそのニオイも、本来は動物のフェロモンのように異性を惹きつける役目や自他を識別する手段としての役目をしていたはずです。
そのワキガ臭も決して同じではなく、人によって異なるのです。ワキガ臭をことさら忌み嫌うのでなく、「ワキガ=個性」と考えるおおらかさも大切ではないでしょうか。

 

ニオいたくなければ、ニオイチェックもしよう

「ワキガ=個性」と考えてみてくださいと言っても、ワキガに限らず、やっぱりニオイたくない、という人もいるのではないでしょうか。そんなニオイへの意識の高い方に覚えておいていただきたいことがあります。それは、自分のニオイは自分ではわかりにくいということです。つまり、デオドラント剤を使って安心していても、周りの人にはまだニオっていた、なんてこともあり得るのです。そうならないためにも、日頃から、対策だけではなく、客観的なニオイチェックも行うようにしましょう。

 

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