KONICA MINOLTA

Kunkun body(クンクン ボディ)

Column 15

3大体臭

DATE : 2017.12.27

あなたは大丈夫!?
冷房が汗腺を退化させる。

もともと日本人の汗腺は、繊細で順応性に優れている

急激な街の変貌と歩調をあわせるかのように日本人の身体は大きく変化しています。

人間は活動するためのエネルギーを食物から摂ったり、動きまわったりしたときに莫大な「熱」を産生します。熱が出ると体温が上がります。しかし体温がどんどん上がっていくと、人間の身体加熱に耐えられなくなってしまいます。そこで、人間は汗をかくことで体温を調節し、身体を熱から守っているのです。人間が「恒温動物」と呼ばれるのは、体温を一定に維持する機構を体内に備えているからです。

その人間を恒温動物たらしめている発汗機構の一つが汗腺です。汗腺は体表面に点在し、汗を体外に放出する穴のようなものです。汗腺は、体温の恒常性を維持するために、体外の環境に応じて柔軟に働いたり休んだりします。このせっせと働いて汗を流している汗腺を「能動汗腺」といいます。

例えば、熱帯の熱いところで生活した人は、能動汗腺が発達し、逆に寒いところで生活した人は能動汗腺が少なくなるのです。日本人の場合は、温帯で四季があるため、熱帯人と寒帯人のちょうど中間くらいの汗腺の数(250万~350万くらい)に収まるのが普通です。

もともと、日本という風土は四季の変化が多様なために、日本人の汗腺は非常に繊細かつ順応性に優れています。暑い夏は汗をかいて働く能動汗腺を増やし、汗をかく必要の少ない寒い冬は汗腺を休ませるなどと、四季折々に能動汗腺の数や汗腺の機能を調節しながら気候の変化に順応していたのです。

冷房の使い過ぎが、子どもを低体温児にする

もともと日本人の汗腺は、繊細で順応性に優れていますが、最近若い世代、特に子どもたちに異変が起きています。

体温を調節する汗腺の働きは、生まれてから3才くらいの間にどのような温度環境で生活したかで決まります。

エアコンなど全くない昔の日本では、乳幼児であれ日本の四季折々の気温を体感してきました。ムシムシした炎天下の夏には大汗が原因の汗疹あせもに悩まされ、雪が降り寒さにこごえる冬には汗疹の代わりにしもやけの洗礼を受けたものです。昭和のお母さんたちは、赤ちゃんの肌を守るベビーパウダーが手放せなかったと聞きます。

ところがエアコンが完全に普及した現代の乳幼児は、夏だろうが冬だろうが、エアコンで快適な温度に調節された空間で育てられます。汗をかく必要がないのですから、汗腺は当然発達しません。汗を「かかないこと」は、「かけなくなること」につながります。汗腺が十分に発達していない子どもたちは、成長して外に出るようになっても、体温を下げるために必要なだけの汗を十分にかくことができないのです。これでは体温の恒常性が維持できませんから、身体のほうでも生体防御反応として、基礎代謝を低くすることでできるだけ身体の熱を産生しないように調節します。

その結果、平熱が35℃程度の「低体温児」が増えているのです。通常、子どもの体温は36℃台ですが、それと比べると「たった1℃」と思われる方もいるかもしれません。しかし、この差は人間にとって非常に大きな差なのです。例えば、基礎体温が35℃の子どもの体温が、2℃上がって37℃になったとします。それは37℃を平熱とする人からすると、39℃での高熱を出したことと同じなのです。3℃でも上がって38℃にもなったら、普通の人が40℃になったと同じことなのです。真夏の炎天下での重篤な熱中症に匹敵します。

猛暑でもないのにめまいに襲われたり、ひどいときには意識を失って、校庭や教室で次々と児童が倒れていく、こんなことが夏の光景として珍しくもないようになっているのです。こうした症状を、私は「疑似熱中症」あるいは「隠れ熱中症」と呼んでいます。

そんな現状にもかかわらず、保護者からは、「エアコンのない教室では勉強に集中できないから教室すべてにエアコンを設置してほしい」という要望が学校に寄せられているそうです。しかし、子どもたちが空調の効いた環境でしか生活できないようになったのは、親である保護者が、子どもが小さなうちからエアコン漬けにし、汗をかく機会を奪ってきたからなのです。

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