KONICA MINOLTA

Kunkun body(クンクン ボディ)

Column 14

3大体臭

DATE : 2017.12.27

なぜこうなった!?
上手に汗をかけない現代人。

コンクリートや冷房が東京を暑くしている

近年、東京の街がどんどん暑くなっていることを実感します。

もともと日本は恵まれた雨がもたらす、潤沢な緑に覆われた国土を持っていました。そのため、蒸し暑い夏でも木陰が夏の強い陽射しをさえぎり、地面に降った雨が蒸発するときに地表の熱を奪ってくれ、涼を与えてくれたのです。

しかし今の東京の街は、アスファルトやコンクリートが敷きつめられ、雨を下水に直行させてしまいます。雨が地下に染み込まないために、都会のコンクリートの下は砂漠状態です。そのおかげで、地表は地熱を奪うことができず、地面に熱をこもらせています。ためしに、真夏の夜更けに歩道のアスファルトに手を当ててみてください。地面は火照ったままであることがおわかりいただけると思います。

それだけではありません。東京の夏をここまで暑くした要因のひとつが、冷房の普及です。おかげで、建物の中はめっきり涼しくなったのですが、その分、外部へ向けて熱気を吐き出しているのですから、街が暑くないわけがないのです。街が暑くなれば、それを避けようと建物の中は冷房でどんどん涼しくなっていきます。それに伴い、街はどんどん暑くなっていくという悪循環が始まったのです。

こうして現代人は、夏になると暑い戸外と冷房で冷やされた寒い室内を往復する生活を強いられるようになりました。有史以来、人類は季節の変化に応じて、身体をそれに適応させて生き抜いてきました。例えば、人類は氷河期を経験したことにより、身体に皮下脂肪という栄養素と断熱材を蓄えることができました。しかし、これによって対応できるのは、あくまでも「厳しい寒さ」であって、「寒さと暑さの繰り返し」ではありません。人類は、この環境の変化に耐えられるような身体の変化を求められ始めたのです。

冷房の普及で、私たちは上手に汗をかけなくなっている

私たちの身体で暑さを感じる場所は、皮膚と脳の2ヵ所です。
皮膚と脳には、それぞれ温度を感じる温度受容器のセンサーがあり、互いのセンサーで連絡をしあって汗の量が調節されています。温度が安定しているときは、たいていは脳のセンサーが感じる温度情報をもとにして、汗がコントロールされます。逆に気温が急に変化したときは、皮膚のセンサーがキャッチする情報が優先されて汗の量が調節されるのです。これはかなり高度なチームプレイです。

具体的に、このセンサーがどのように働いているのか見てみましょう。
あなたは、夏の炎天下を歩いています。脳のセンサーが「汗を出しなさい」と発汗中枢に命令すると、皮膚の汗腺から汗が流れます。炎天下なので滝のような汗です。

あまりにも暑いので、あなたは喫茶店に立ち寄ることにしました。喫茶店の中は冷房でキンキンに冷やされています。すると、皮膚の温度が急激に冷やされ、すかさず皮膚のセンサーが「汗を止めなさい」と脳の発汗中枢に命令します。ところが、脳のセンサーは皮膚ほど敏感に気温を感知しないので、まだ高温のままなのです。ここで皮膚のセンサーの指示通りに汗を止めてしまったら、たまったものではありません。そこで脳のセンサーは、「まだ暑い。汗を止めるな」という命令を発汗中枢に送ります。

ここで困ったのは脳の発汗中枢です。同じ組織からまるっきり反対の命令を送られて、混乱してしまうのです。ただし、基本的に脳の中枢には、「冷たい」という情報を優先して認知する傾向があります。そのため脳のセンサーが「まだ暑い」と訴えても、皮膚のほうで「涼しい」と言われてしまえば、そのほうが優先されて汗は一気に収まってしまうのです。
暑い場所から冷房の効いた環境に入ると、すぐに身体中の火照りが収まった気分になりますが、実は脳の中では、汗を止められて火照った状態が続いているのです。これを「うつ熱」といいます。自動車のエンジンがオーバーヒートしそうなのに、冷却器を止めて自動車のボディにばかり水をかけているようなものです。

さて、喫茶店で一息ついたあなたは、再び炎天下の外へ歩き出します。これまでキンキンに冷やされた冷房の中から一気に灼熱の日ざしと熱気に当てられた皮膚のセンサーは、すかさず「汗を出しなさい」という命令を発汗中枢に出します。

その一方で、脳のセンサーはずっと「汗を出しなさい」という命令を出し続けていたわけですから、双方からの指示により凄い勢いで汗が噴き出してしまうのです。

人間の汗腺は通常このような発汗命令を想定していないため、汗の製造限界能力を超えてしまいます。そうすると、汗腺が非常に疲れてしまいます。また、汗腺の導管部では、血液から取り込まれた水分や大事なミネラルを十分に再吸収できずにロスしてしまうことになる上に、流れるほどの大汗は蒸発しにくいので、量の割にはそれほど体温を下げられません。その結果、体温はまた急上昇し、病気でもないのに異常な高熱を出してしまうことにもなります。

このように暑さと寒さをくり返していると、体温を調節する中枢は、脳で感じる温度よりも皮膚で感じる温度の変化に敏感に反応するようになります。その結果、日本人の身体がどんどん変化してしまっているのです。

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